2009年10月7日水曜日

グラン・トリノ [DVD]



伝え聞く処に拠ると、俳優として自身最後の出演作となると言われるクリント・イーストウッドの最新作は、全編苦虫を噛み潰したような表情といい、頑迷なまでに自己の信念を通し続ける気骨ぶりといい、やはりキマっているGUNを構える仕草といい、唾を吐き散らすクセといい、まるで、自身が今まで演じてきた役柄のセルフ・パロディ、集大成のような肌触りを感じさせる作品だ。
イーストウッド映画の大ファンとして、それだけでも嬉しく、万感胸に迫るものがあるのだが、今作は、そう言ったこれまでの映画的記憶と約束事を踏襲させたうえで、更に物語を昇華させ、メッセージをしっかりと発信させてくれる。敢えて内容には一切触れないけれど、物語の完結の仕方は、意外かも知れないが、やっぱり如何にもイーストウッドらしい。
ラストに流れる実子カイルらとの郷愁かつ感傷的なメイン・テーマを聴きながら(これは一度聴いたら忘れられない名曲。余談だけど、何故サントラ盤が未発売なのか!)、こんな形で神話的な引退作を撮り上げてしまったイーストウッドに改めて感服。
そして、劇中の東洋人の青年と同様に、過去のイーストウッド映画で、"男"としての教えを乞うて貰った者なら、ただただ映画に身を任せ、その豊饒さを感じれれば、それだけで幸福だ。

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