2008年12月2日火曜日
ルパン三世 - カリオストロの城
かの有名な宮崎駿監督の若きころの作品。
アニメならではの誇張表現を生かした迫力ある序盤のカーチェイスシーン、ルパンの人並み離れた体力を端的に表す塔から塔への跳躍など、駿監督らしい大胆かつ新鮮な演出が光る。
音楽にもしっかりしたこだわりがあり、各音楽の頂点は必ず作品の一番盛り上がるシーンと重なるように演出されている。これまた後の作品で音楽には特にこだわる監督ならではの演出。
またキャラクターデザインやメカニックデザインが既に駿監督独自のものになっているなど、後の作品に与えた影響は計り知れない。
ちなみに結構前にレビューした「王と鳥」を見ていると、あっこれってまさか…と気付くことが多くなりもっと楽しくなる。
勿論言うまでもない話だけど、銭形警部の「あなたの心を盗んでいきました」はあまりにも有名。
かの有名なラストの台詞に到るまで、要はこの物語を爽快に締めくくる映画史に記されるであろうエンディングを、後日監督はたった二文字の言葉で言い表している。
曰く「痛恨」だったと。
才人たる若き日の監督が、どのような政治的軋轢のなかこの“異様”な主人公を演出し、構築し、劇場公開の大舞台に押し上げるコトに到ったか?その深い心情は知る由もない。
当時興行的に惨敗だったという事、だがそれは大したトラウマでは無く、むしろ作品をセルフコントロール出来ない(出来なさ過ぎる)ジレンマへの苦悩は数年に渡り続き、その後“自社ブランド”確立への道程は当然の成り行きだったのだろう。
さて。
監督生命を絶たれかけたというこの作品、巨匠にとっては痛恨・忌まわしき・憎むべき作品なのだろうか?
現在監督のアトリエの前に、何時も横付けされている愛車の名は「シトロエン2CV」である、クラリス登場シーンで激走をみせた愛らしいヤツである。
この作品はどうあっても原点なんだと思う。
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