2008年12月20日土曜日
アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]
「久しぶりに胸の高鳴るヒーロー映画が登場した!!」そう感じたのは、きっと私だけではないはずだ。『アイアンマン』は見る者の期待を決して裏切らない、いや、むしろ期待以上の興奮を届けてくれるごく稀なヒーロー映画の成功例だ。何しろ、アンチ「ヒーロー映画」のお国柄である日本で初登場第1位をさらった作品(あの『ダークナイト』でさえも初登場第2位)ゆえ、その面白さは折り紙付きだ。
本作の魅力はストーリー性の高さにある。主人公の「贖罪」の物語を芯に、世相を反映させたアフガンの現状など現実味溢れるシリアスな肉付けがしてあるので、この手の映画が苦手な方の鑑賞にも十分堪え得る仕上がり。だが一方で、軽快なユーモアとアメコミらしい派手なアクションも随所に盛り込まれ、作品のテンポは至って軽快。王道のヒーロー映画の定石をきちんと踏まえ、エンターテインメントとしての側面も重視されている所が素晴らしい。この辺りはさすが、監督がジョン・ファヴローだけあってインディペンデント系作品で培われた演出力が活きている。
何と言っても特筆すべきは、アイアンマンこと「トニー・スターク」の設定の巧さ。現代のヒーローといえば、若さゆえに自身のアイデンティティに悩む「ウジウジ型」のヒーローがメインストリームである。だがそんな流行りとは一線を画すかのごとく、本作のトニーは酸いも甘いも噛みしめた怖い物なしの「アラフォー世代」ヒーローという設定。いちいち悩んだりなどせず、パワードスーツに身を包んで悪と戦うトニーの姿は見ていて実に爽快だ。演じるロバート・ダウニー Jr.の力量も相まって、「トニー・スターク」というキャラクターはヒーロー映画史上最もインパクトのある主人公としてその名を刻むことになるだろう。
その他にも悪役に挑戦したジェフ・ブリッジスの存在感やグウィネス・パルトロウの可憐さ、脇を支えるテレンス・ハワードの落ち着いた演技など見所はたくさんあるが、とにかく全ての要素が高次元でまとまっており、非常にハイクオリティな作品になっている。
AC/DCの「Back in Black」で始まるオープニングから、マニア心をくすぐるBlack Sabbathの「Iron Man」で終わるエンドクレジットまで、とにかく興奮しっぱなしの126分。劇場で見逃した方は、ぜひBlu-ray Discの家庭劇場でアイアンマンが空を舞う勇姿を堪能してほしい。
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